熊本市内の県立高校において、部活動の伝統的な指導方法である“シメ”が問題視され、その実態が明らかになっています。
2023年1月18日、熊本の高校1年生の生徒が自殺した事件を受け、県の教育委員会が「生徒が所属していた部活動で人間関係の悩みを抱えていた可能性が高い」と発表しました。
この事件を契機に、高校が開いた保護者会で“シメ”が部活動で伝統的に行われていたことが指摘され、学校側が問題を認める事態となりました。
生徒の証言によれば、“シメ”は正座や暴言、理不尽な決めつけなどで表面化しており、部活動の顧問や上級生が注意を怠っていたとされています。
部活動に参加した生徒たちは、部の練習以外でも1時間以上正座させられたり、部活動とは無関係な場で悪口を言われたり、時には「死ね」「殺すぞ」といった暴言を浴びせられたと述べています。
顧問は“シメ”を重く受け止めておらず、部活動のOBであることから、問題に対して無関心であるとの指摘もあります。
学校側は保護者の指摘に対し、「悪い伝統が残っていたのであれば、改善を図るための取り組みを進めていきたい」と答え、事実上、“シメ”の存在を認めました。
また、県の教育委員会によると、“シメ”にははっきりとした定義がなく、調査も行われていなかったが、保護者の指摘を受けて初めて高校に対し、“シメ”の実態調査が指示されました。
この実態調査の結果、41件の“シメ”が確認されました。
具体的な内容は、「死ね」「殺す」といった暴言が9件、「部活動をする資格がない」とか「技術がない」などの理不尽な決めつけが24件、1時間以上正座させたり、3時間立たせたりする指導が8件でした。これにより、“シメ”が暴力や暴言といった社会的に容認されない行為であることが明確になりました。
“シメ”の起源については、日本語学の専門家が語るところによれば、江戸時代に演劇関係者が使っていた“集団語”であり、1990年代には不良少年や暴走族の用語として全国で使われるようになりました。
しかし、その過去の経緯や一部での賛否を巡る議論は、“シメ”が社会的に受け入れられるべきか否かという根本的な問題を示しています。
被害者である生徒たちは、部活動の勝利至上主義のなかで“シメ”に耐え、その経験が上級生になると同様の行為を行うことで快感を感じ、自身が受けた過去の“シメ”を忘れるというサイクルが生まれている可能性が指摘されています。
高校での“シメ”は、生徒の個人的な問題ではなく、学校全体に文化として根深く浸透しているとされています。
教育の専門家は、学校は被害者が告発しやすい環境を整え、加害者を反省させる仕組みを整える必要があると指摘しています。
また、部活動の勝利至上主義の見直しと、根性論ではなく生徒に考えさせる民主的な部活動の運営への転換が求められています。
この問題を解決するためには、社会全体で早急に対策が必要とされています。
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